感動マーケティングとは?顧客行動を変える仕組みと成功事例
- 保科一男
- 8月20日
- 読了時間: 4分

はじめに
「感動」は人の心を動かし、行動を変える強力なトリガーです。脳科学・心理学的にも、感動は記憶に残りやすく、マーケティングに応用することでブランド想起や購買行動に直結します。
本稿では「感動のメカニズム × マーケティング活用」をテーマに、EC・SaaSに活かせる成功事例とともに「感動マーケティング」として解説します。
感動が顧客行動を変える理由【脳科学 × マーケティング】
記憶に残りやすい感動体験は脳の扁桃体と海馬を刺激し、長期記憶として定着。→ ブランド想起に直結。
口コミを誘発する感動は「誰かに伝えたい」という衝動を生み、SNSシェアやUGC拡散につながる。
信頼と愛着を育てる感動を与えたブランドは「自分に寄り添う存在」と認識され、LTV(顧客生涯価値)が上昇。
感動を生む3つのマーケティング設計要素
(1) 予想とギャップの演出
日本事例: サントリーBOSS(宇宙人ジョーンズ) → 意外性×温かさ。
海外事例: Nike「Find Your Greatness」 → 普通の人が主人公。
活用法: 当たり前を覆す体験を提示(例:定額で無制限、99%自動化)。
(2) 顧客の人生との接続
日本事例: ユニクロ「LifeWear」。
海外事例: Apple「Shot on iPhone」。
活用法: 「家族の時間」「挑戦」「夢の実現」といった価値と商品を結びつける。
(3) 共感と一体感の創出
日本事例: 東京オリンピック開会式のドローン演出。
海外事例: Airbnb「Belong Anywhere」。
活用法: 共創イベントやハッシュタグ施策でコミュニティ感を醸成。
感動を仕込むマーケティングシナリオ【EC・SaaS実践例】
1. 顧客オンボーディングでの感動
目的: 初回利用に「安心」と「特別感」
UI例: サインアップ完了画面で「〇〇さん、ようこそ!」+アニメーション
事例: メルカリ、Duolingo
2. 商品・サービス体験での感動
目的: 「予想以上!」の驚き
UI例(EC): 購入後に「生産者の物語」動画を表示
UI例(SaaS): ダッシュボードで「あなたのビジネスは年間○時間を節約」と可視化
事例: クラシル、Shopify
3. 共感・一体感の感動
目的: 「自分だけじゃない」という連帯感
UI例(EC): 購入完了画面にレビュー・人気ランキング表示
UI例(SaaS): 導入企業ストーリーやユーザー体験シェア
事例: ユニクロ、Airbnb
4. サービス継続時の感動
目的: 長期利用を「報われた」と感じさせる
UI例(SaaS): 月末レポートで成果可視化
UI例(EC): 常連顧客に特典や直筆動画を提供
事例: Amazonプライム、Spotify Wrapped
感動マーケティングの実践フレームワーク【再現可能な手法】
感情曲線の設計:「期待 → 葛藤 → 解放 → 共鳴」
ストーリーテリング:主人公=顧客、商品=導き手
マルチチャネル共鳴:広告・SNS・イベントで同じ感動軸を共有
KPIで測る感動の効果【SNSシェア率・NPS・LTV】
SNSシェア率 → UGC投稿数で計測
NPS(顧客推奨度) → ブランド推奨意向を数値化
LTV → リピート率・平均購入単価で効果測定
感動シナリオを3ヵ年事業計画に落とし込む方法
年度 | 感動演出の重点 | マーケ効果 | KPI |
1年目 | オンボーディング+サプライズ | 初期獲得・口コミ拡散 | 新規会員数、SNSシェア率 |
2年目 | コミュニティ導入 | リピート強化・ブランド愛着 | NPS、月次リピート率 |
3年目 | 成果可視化 | LTV向上・解約抑制 | LTV、解約率 |
プロトタイプUI例
サインアップ完了画面 → アニメ+名前入り歓迎
購入完了画面 → 生産者からの「ありがとう動画」
ダッシュボード → 「今月の成果」カードを自動生成
マイページ → ユーザーの声+SNSシェア導線
まとめ:顧客に「便利」ではなく「感動」を届けるブランド戦略
感動は一瞬の情動にとどまらず、記憶・行動・信頼を変える力を持ちます。ECやSaaSの顧客体験に「感動の仕掛け」を組み込むことで、ブランドは単なるツールではなく「人生に寄り添う存在」として認識されます。
プエンテは「橋をかける」存在として、日本企業にこうした感動設計を踏まえたサービス開発を導入し、顧客との長期的な関係構築を支援していきます。
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